間欠的低酸素曝露(IHE)
間欠的低酸素曝露(IHE)
Hypoxico高所トレーニングプロトコルの中でも最も新しいIHE Training Package
(間欠的低酸素曝露トレーニングパッケージ)は、
健康やウェルネスを目的として広く利用されています。
このトレーニングでは、間欠的かつ短時間(3-5分)の
低酸素(酸素濃度9-10%、高度6,400mに相当)吸入と、
通常の空気吸入(2-5分)を交互に行います。
高所トレーニングマスクに高所シミュレーション発生器を
組み合わせたものです。
「間欠的低酸素曝露(IHE)」サイクルは、
極度の低酸素と高炭酸(二酸化炭素濃度を上げる)状態を作り出し、
抗酸化防御(フリーラジカルからの保護)機構を構築するために
あらゆる哺乳類の胎児発生で起こる、
自然な生理的トレーニングメカニズムを再現します。
この防御機構は、新生児が出生時の高酸素による
初期の酸化ストレスに対抗するためのもので、
成長した個体にとっても日常生活で回避できない
酸化ストレスへの対応に役立ちます。
さらには老化を遅らせ、アルツハイマー病、糖尿病、がんなどの
慢性的な病気を予防し、全般的な健康、ウェルネス、若返りを促進します。
間欠的低酸素トレーニング(IHT)は
ウェルネスを強く意識したトレーニングですが、
実際には普遍的なトレーニングプロトコルであり、
どのような高所トレーニングプログラムにおいても価値を発揮します。
不調の選手のための間欠的低酸素トレーニング
選手も時に調子を崩し、常にベストコンディションを
維持できるわけではありません。
国内外の大会シーズンは長く厳しいものであり、
選手にとってはシーズンを通じて要求を
満たし続けられるかどうかが重要となります。
シーズン前になると、多くの選手が
「自分らしくプレーして体調を整えよう」という
誤った考えに陥りがちですが、
代のスポーツではこのようなアプローチは通用しません。
不調の選手のために追加でコンディショニングセッションを行う、
というのもよくあるアプローチですが、
これは問題をさらに悪化させるだけであり、
すでに調子の悪い身体にさらに負荷をかけては
怪我につながりかねません!
低酸素を活用することで、
不調から「競技に適した」コンディションへと
回復する時間を短縮すると同時に、
トレーニング負荷や量を抑えることができます。
トレーニング量を増やすことなく
短期間(2~4週間)で不調の選手の体力を大幅に向上させるという、
かつてない介入方法です。
一方、どのチームにも出場時間が限られている選手が必ずいます。いわゆる「ベンチウォーマー」と呼ばれる選手らにとって、いざという時に最高のパフォーマンスを発揮できるよう自らの体力を維持することは非常に重要です。過酷な大会期間中のトレーニングに低酸素セッションを加えることで、出場待ちによるトレーニング不足の影響を軽減することができます。間欠的低酸素トレーニング(IHT)の活用は、厳しい大会期間中の選手の体力維持に効果的な方法です。
すなわち、受動的間欠的低酸素トレーニング(passive intermittent hypoxic training)は以下に役立ちます:
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慢性疾患や変性疾患(アルツハイマー病、糖尿病、がん)の予防・緩和。
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不完全脊髄損傷患者における歩行速度や持久力の向上。
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老化の予防。
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全般的な健康、ウェルネス、および若返りの促進。
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負傷した選手や補欠選手のコンディショニング維持。
*間欠的低酸素曝露(IHE)を行う際は必ず医師や医療従事者の指示に従ってください。